形状記憶合金

形状記憶合金のお話です。




形状記憶合金という言葉はご存知でしょうか。




Wikipediaによると、「ある温度(変態点)以下で変形しても、その温度以上に加熱すると、元の形状に回復する性質を持った合金」とされています。




この合金は矯正治療でよく使われていて、
昔の矯正治療より痛みが少なくなってきたのは、この材料の使用とその使い方の進歩によるものです。




上の写真に使用しているワイヤーは形状記憶合金の表面を白くコーティングしたワイヤーです。
上下に入っているワイヤーがまっすぐではなく、たわんでいるのがお分かりでしょうか。



マルチブラケット治療の開始当初は、ほとんどの人はどこかに歯のねじれや隣の歯とのずれなどがあり、まっすぐで硬いワイヤーを入れることが困難です。
こういうときに形状記憶合金製のワイヤーを入れます。
形状記憶合金のワイヤーは、室温ではやわらかく、変形しやすいように調整されています。
そのため口を開けてワイヤーを入れ、ワイヤーを歯に縛り付けるまでは歯のがたがたに合わせてワイヤーが変形します。
そこから口を閉じて、ワイヤーの温度が体温近くまで上昇すると、ワイヤーに組み込まれている元の形の戻ろうとする作用によって歯が動くのです。




この形状記憶合金製のワイヤーを使うたびに、最初にこのような形状記憶の性質を発見した人や、最初にこの合金を矯正治療に使用することを考えた人はすごいなと思っています。



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