集団に対するフッ化物使用の問題点

今まで述べてきたように、フッ化物を使用すれば虫歯の予防効果は高いです(虫歯が0になるわけではありません)。
しかし、ご家庭でフッ素入りの歯磨剤を使用したり、歯科医院でフッ化物を塗布する場合と違って、学校単位のフッ化物洗口や、地域単位の水道水フッ化物濃度調整の心理的障壁は高いと思います。
特に日本人の場合、安全な濃度とされていても食品添加物や農薬の使用に対する反応を見ているとフッ化物を使用する際の拒否反応は想像に難しくありません。



一般の人の考えるリスク認知は専門家の考えるリスク認知とは異なっています。
専門家の考えるリスクは純粋に、被害が出た時の大きさと被害が起きる確率で判断します。
一方、一般人のリスク認知の研究を行ったSolvicによると、一般の人は物事のリスクを考えるときに「恐ろしさ」と「未知性」で判断すると報告しています。
つまり、恐ろしいか、恐ろしくないか、知っているか、知らないかの2軸で考えるということです。
一般の人にとってリスクが低いと考えるのは「恐ろしくない」かつ「良く知っている」ことで、リスクが高いと考えるのは「恐ろしい」かつ「全く知らない」ことだそうです。



水道水のフッ化物濃度調整(フロリデーション)の場合、一般の人の認識はワクチンと同程度の恐ろしさで、あまり恐ろしく感じてはいないようですが、あまり知らないようです。
これが水道水のフッ化物濃度調整に対して反対する原因と考えられます。



集団のフッ化物洗口の場合も同様に、それを実施する教職員、受ける児童や保護者はフッ化物の使用についてあまり知らないことが問題であると考えられます。



実施を所管する自治体、歯科医師会は一般の人々へフッ化物のことをもっと知ってもらう必要があるのではないでしょうか。
一般の人々がフッ化物について良く知るようになれば、自転車に対するリスク認知になる日も来るかもしれません。



続きます。



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