オトガイ部の筋緊張

昨日コメントいただきました中に、


ところで、以前通っていた歯医者で、
下唇からあごにかけての部分に筋肉が付きすぎている、
これは歯並びが悪くて口を開けて息をしているからだといわれました。
確かに下唇からあごにかけて人よりお肉がついてる気がします。
しかし、歯並びと関係するのでしょうか。


との質問がありました。


下くちびるの下からあごにかけてをオトガイ部と呼んでいます。
この部分の筋肉のふくらみについて気にされている方も多いかと思います。


いずれ書こうと思っていたところなので、予定を変更し、オトガイ部の筋緊張(特にオトガイ筋の緊張)について書いていきます。


まず、オトガイ部に筋肉が付きすぎているとのことですが、このことだけで考えると2種類の状態が考えられます。


1つ目は、

下くちびるからオトガイ部の筋肉が常に緊張し、下の歯が内側に倒れている状態です。
自分で筋肉の力をコントロール出来なくなっているため、筋肉の緊張を緩和するトレーニングが必要になります。


2つ目は、

普段口が閉じにくいため、口を閉じようとするとオトガイ部にうめぼしのような筋緊張が現れる状態です。


口を開けて息をしているとのことですから、おそらく2つ目のパターンだと思います。


上の歯と下の歯の間に距離があるとき(上顎前突や開咬)や、E-line(鼻の先とおとがいを結んだライン)より口元が出ている場合(上下顎前突や上顎前突)などでは、普段安静にしているときに口が開きがちです。
口を閉じるときは、上くちびるは下がらず、下くちびるを上に持ち上げるようにして閉じます。
このとき、下くちびるを大きく持ち上げようとして、オトガイ筋が緊張します。



以前にも出しましたが、口を開けていると、くちびるが前歯を内側へ押す力が弱くなり、前歯は前に倒れやすくなります。
この状態が続くと、上顎前突、上下顎前突や開咬という状態になりやすくなります。
これらのかみ合わせになると口が閉じにくくなります。
結果、口を閉じるときにオトガイ筋が緊張するのです。



2つ目の患者さんの治療前(上)、治療後(下)の写真です。
正治療で上の前歯の位置が改善し、口が閉じやすくなりました。
下の写真ではオトガイ部の筋の緊張が取れ、あごのラインが自然になっています。

黒が治療前、赤が治療後です。
上の前歯が中に動き、鼻の下からあごにかけてのラインが大きく変化しているのがわかります。


子どもの間に悪い癖を取り除けば、矯正治療を行わなくてもかみ合わせや顔の形が良くなる可能性が高まります。
多くのかみ合わせや歯並びの不正には癖がかかわっています。
癖を取り除くことの重要性がこれらのことからわかるでしょう。


大人の場合も矯正治療と癖の除去を組み合わせることで、かみ合わせや顔の形のみならず、表情も良くなってきます。
気になる場合は、ぜひ矯正歯科医にご相談ください。


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