癖と歯列不正 6.片方の奥歯で咬む癖

片側の奥歯ばっかりで咬む癖、片咀嚼についてです。


成長期の子供が咬みやすい方の歯だけで咬んでいると、あごの発育に左右差が出ます。


あごの骨は、体の骨の中ではかなり特殊で、右側と左側に一つずつ関節があります。


腕の場合、右きき、左ききがあるように、片方だけをよく使っていてもあまり不都合が出ませんが、
あごの場合、片方の奥歯だけで咬んでいると、あごの関節の形、あごの骨の形、咬む筋肉の機能、あごの動かし方などに左右差が現れてきます。



左で咬んでいると、上の図にあるように、右の関節が前に動き、左の関節は右ほど動きません。
あごの先は左の方にずれて動きます。
左で咬み続けると、あごを左にずらしたときのあごの形に対応しするため、あごの骨は左側より右側が大きくなってきます。




その結果、顔は非対称になり、上と下の歯もずれて咬むようになります。


あごの発育は、両方の奥歯を同じぐらい使って咬むことで正しく発育します。
両方の奥歯を均等に使う一番いい方法は、咬む回数を増やすことです。
流しの飲みや早食いをせず、良く咬んで食べれば、必然的に両方の奥歯で咬むようになります。


なぜなら、片方だけでよく咬むとあごが必ず疲れますから。