咬むトレーニング

先日発行された日本矯正歯科学会の学会誌に掲載された論文の話題です。


咬むトレーニング用に開発されたガム(DAY-UPオーラルガム かむトレーニング)を使用して、
児童に「右側で10回噛んだ後、左側で10回噛む」ことと、
「唇を閉じて噛むこと」、
「1日2回朝夕食後の10分間トレーニングを行う」、
というルールで3か月トレーニングを行うというものです。


その結果、あごの動かし方が悪かった児童では、咬むときのあごの動かし方が良くなり、奥歯も直立するようになってきたそうです。


食事中に両方の奥歯で良く咬んでいるひとは、奥歯で食べ物をすりつぶす動き(グラインディング)ができます。
あまり咬んでいない人は、咬みきったり、たたきつぶす動き(チョッピング)はできるのですが、すりつぶす動きは苦手です。
左右の奥歯で交互に咬むことで、チョッピングのあごの動きがグラインディングの動きができるようになります。


おそらく、このトレーニングで舌の動きが悪かった児童は舌の動きも良くなっているでしょう。
また、歯並びががたがたしている場合は、その程度が軽くなっているか、なくなっていると思います。


少しお子さんの歯並びが心配なかたは、食事の時に「右側で10回噛んだ後、左側で10回噛む」ことと、「唇を閉じて噛むこと」を取り入れてみましょう。


DAY-UPオーラルガム かむトレーニング

写真はライオン歯科材株式会社のホームページから転載


参考文献
硬性ガムレーニングが混合歯列期児童の咀嚼運動および第一大臼歯植立に与える影響
根岸慎一ら
Orthod Waves-Jpn Ed 2010;69(3):156-162