エックス線 3

エックス線の3回目です。



エックス線が放射線の一種であることを以前書きました。
放射線はその強度や被曝した時間、回数によって人体に悪影響を及ぼすことがあります。
エックス線も同様に、強いエックス線を何度も浴びれば体に不調が出てくるでしょう。



エックス線被曝による病気としては、
強いエックス線を浴びることで
悪心、嘔吐・下痢、発熱、血小板減少、出血、白血球減少などの急性障害が出たり
エックス線を繰り返し浴びることで
再生不良性貧血白血病、肺癌、皮膚炎、皮膚がん、白内障、免疫障害、不妊症などの晩発性障害になったりすることがあります。



こういった内容を書くと、エックス線検査はこわいとか、今日10枚もエックス線写真を撮られたけど病気になるんじゃないかとか思われるかもしれません。
しかし、エックス線検査程度の被曝量で病気になる確率はほとんど0に近い(0であるとはいいません)と考えられます。



エックス線の大きさを表す単位にGy(グレイ)とSv(シーベルト)があります。
グレイは放射線のエネルギーがどれだけ物質に吸収されたかを表します。
人に置き換えると、放射線をあてて、どのぐらい人体や臓器が吸収したかと考えてください。
一方シーベルトは、被曝の生体に対する影響を議論するために使用される単位です。
グレイとシーベルトの関係は
Gy = 放射線荷重係数(放射線の種類による生体への影響を表す定数)× Sv
となっています。
この放射線荷重係数はエックス線では1、α線では20となっています。
つまり、同じ大きさのα線とエックス線ではα線のほうが20倍生体に対する影響が強くなります。



では歯のレントゲンではどうなっているのでしょう。
歯のレントゲン写真で約2mGyのエックス線が頬の皮膚に浴びせられます。
皮膚の場合、障害が出始める放射線量は2000mGyから5000mGyです。
つまり、一度に1000枚以上のレントゲン写真を撮れば皮膚症状が出始めるかもしれません。
おそらくほとんどの人にとっては、生涯のエックス線写真による放射線量は皮膚に障害が出始める放射線量以下になっているでしょう。




最近のレントゲン写真はデジタル化がすすみ、撮影時の放射線量もどんどん減少しています。
エックス線検査による人体への影響は考えなくても良いと思われます。




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